女性のライフステージに合わせた心と体の健康情報

ドクターズコラム

2015年8月5日

連載③【対馬ルリ子先生】一生涯、元気で美しく、自分らしく生きるために ~女性のライフステージ別 健康課題と対策

連載③(全3回)

“ライフステージ”を意識すると、女性はより健康で美しく生きられる

~各ステージで直面する健康課題と対策を知っておこう~

婦人科検診を受け、かかりつけ医を持つことが大切

婦人科検診を受け、かかりつけ医を持つことが大切

更年期(45~55歳頃)のあなたへ

日本人女性の平均閉経年齢は50~51歳で、閉経をはさんだ前後10年間が更年期にあたります。4つのライフサイクルの中でも、最も大きな変化を感じるのが更年期です。卵巣機能が低下し女性ホルモンの分泌が急激に減少するため、身体と心にさまざまな変化があらわれるのです。でも、あらかじめどのような変化が訪れるのか知って準備すれば、更年期も恐れることはありません。最近は更年期を軽やかに過ごすための治療もあり、私の患者さんたちも明るく更年期を過ごしています。

更年期障害はがまんをせずに、婦人科へ

更年期の不調の感じ方には、かなり個人差があります。月経周期の乱れとともに、ホットフラッシュ(のぼせ、ほてり、多汗)、冷え、動悸、頭痛、倦怠感、めまい、肩こり、関節痛、耳鳴りなどの症状が辛いときは、婦人科や女性外来に相談しましょう。即効性のある治療としては女性ホルモンのエストロゲンの不足を補うホルモン補充療法(HRT)があり、穏やかな効き目でじっくりと全身のバランスを整えるには漢方療法があります。両方を組み合わせることもできます。時期によって状況も変化します。自分に合った治療法を見つけましょう。

更年期うつにも注意して

身体の不調だけではなく、情緒不安(イライラ、落ち込み)、集中力・気力の低下など心の不調があらわれる人もいます。そこにストレスが加わることで、うつを発症するケースもあります。45~55歳といえば、子どもの受験や巣立ち、親の介護など環境変化でストレスがかかりやすい年代。今までと比べ気分が沈みがちだと感じたら、心療内科でも相談してみましょう。

乳がんは、更年期が発症のピーク

乳がんは50歳前後で発症のピークを迎え、更年期女性が最もかかりやすいがんと言えます。とくに閉経後の女性の場合、肥満が乳がん発症の要因に挙げられるため、適切な食生活と運動を心がけましょう。定期的な検診とセルフチェックも忘れずに。

更年期の不正出血には子宮体がんの疑いも

子宮体がんも50~60代が最も多く、とくに出産未経験、肥満、過去の月経不順などにあてはまる女性にみられます。自覚症状としてわかりやすいのは不正出血。閉経後にも関わらず出血がある場合はただちに婦人科を受診し、検査を受けましょう。

更年期にリスクが急に高まる生活習慣病

エストロゲンには血管を若々しく保ったり、内臓脂肪を減らしたり、骨を強くする働きがあります。成熟期までは高血圧や高脂血症から女性を守ってくれていたエストロゲンが急激に減少することで、更年期には生活習慣病になるリスクがぐんと高まります。来る老年期のためにも、食事・運動・睡眠など基本的な生活習慣を整えることが重要です。

老年期(55歳~)のあなたへ

老年期は約30年以上続く、女性のライフステージの中でも最も長い期間です。いつの年代でも同世代の中で若く見える人はいますが、70歳を超え老年期の後期になると明らかに見た目の若さ、行動の若さに差がついてきます。あなたが「できるだけ若々しくありたい」と思っているのなら、55歳からの老年期初期に食事量と栄養バランスに気遣い、ウォーキングなどの運動習慣をつけましょう。更年期に引き続き生活習慣病に気をつけるほか、骨を強く保つためのカルシウムやたんぱく質の摂取、筋トレ、女性ホルモン補充療法を続けましょう。

寝たきりにつながる骨折に注意

骨の新陳代謝に関わっていたエストロゲンが減ることから、老年期の女性は骨量が急激に減少し、骨がもろくなります。骨粗鬆症の問題は、ささいな転倒でも骨折し、そのまま寝たきりになるおそれがあること。対策としておすすめしたいのは、太陽の下でのウォーキングです(もちろん日焼け止めや帽子は忘れずに)。運動すると骨が強くなり、ビタミンDが活性化されます。日光もそれに一役買っています。

ロコモはトレーニングで予防を

ロコモとは、骨・関節・靭帯、脊椎・脊髄、筋肉・腱、末梢神経などの運動器の障害により、要介護になるリスクが高い状態をいいます。変形性関節症や関節リウマチなどが運動器の障害の代表です。整形外科医・理学療法士の指導の下、自分に合ったロコモトレーニングを行うことが、予防につながります。

早いうちに気づきたいアルツハイマー
婦人科の活用を

60歳以降に発症することの多いアルツハイマー型認知症。日常生活で失くし物が多い、質問を繰り返す、判断力が低下したと感じる場合は、認知症外来(精神科)などで医師に相談してください。

最後に

みなさんにはぜひ婦人科や女性外来のかかりつけ医を持っていただき、専門医の医学的な知識や診断を自分の人生に役立ててほしいと思います。かかりつけ医は、あなたの人生の応援団です。

またこの『ウェルラボ』サイト内の『からだケアレシピ』を実践し、今のライフステージ、次のライフステージをより一層輝くものにしていただけたらと願っています。


対馬 ルリ子先生

【現職】
産婦人科医、対馬ルリ子女性ライフクリニック銀座院長

【経歴】
2002年にウィミンズ・ウェルネス銀座クリニック(現 対馬ルリ子女性ライフクリニック銀座)を開院、院長を務めるほか、「NPO法人 女性医療ネットワーク」理事長として、女性医療者の連携、女性の生涯にわたる健康のためにさまざまな情報提供・啓発活動を行っている

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