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ドクターズコラム

2015年10月20日

連載①【福田千晶先生】上手に幸せを見つけ、素敵な日々を ~健康は、大切にしたい“人生の宝”

連載①(全2回)

健康は、大切にしたい“人生の宝”

健康は、大切にしたい“人生の宝”

一般の人と医療をつなぐアドバイザーとして

 私は現在、健康科学アドバイザーという立場で、健康に関する講演、執筆、テレビ・ラジオ出演などの活動をしています。健康科学アドバイザーには、一つには患者さんと医療をつなぐ「通訳」の役割があり、もう一つには健康な人に対して「予防」を呼びかける役割があります。

 そんな役割を志したきっかけは、大学病院のリハビリテーション科の医師をしていたときの経験です。リハビリ科には、整形外科、外科、脳外科などで手術を受けた患者さんが術後の回復のためにやってきます。各科のドクターは患者さんに質の高い治療を行い、しっかり説明もしているのですが、患者さんたちはリハビリ科の医師である私に、異口同音に「こんなに術後が大変とは思わなかった。説明を受けたのかもしれないが、私たち素人には(病気や治療のことが)わからないから…」と愚痴をこぼすのです。

 医師と患者さんの間にコミュニケーションギャップがあり、よい治療が必ずしも患者さんの満足度につながっていないことが残念で、医療用語や専門的な内容を一般の人にわかりやすく伝える役割が必要だと感じました。同じことは予防にも言えて、特に若い世代の脳梗塞などは予防によって発症を防げるわけですから、そのことをわかりやすく啓発することが大切だと思ったのです。

 リハビリ科というのは、社会や家庭への復帰という目的があり、今後患者さんがどう生活されたいのかを一緒に考えながら治療計画を立てていく、という患者さんの人生に触れざるを得ない診療科です。後悔する人を減らしたいという思いが強くなり、医療の最前線からは一歩引いた立場で、多くの方へこの思いを届ける活動に軸足を移すことにしました。

幸せになるためには、健康に関心を

 「健康は大切」。これはごく当たり前のことなのですが、私が医師としてこれまでいろいろな方と接してきた経験で言うと、健康な人ほど日々のコンディションを意識せずに過ごし、体調の変化も見逃しているように感じます。

 たとえば40~50代とまだ若いのに脳梗塞などで倒れ、手足や言葉に障害が残ってしまう方がいらっしゃいますが、そうした方々も少し前までは健康だったのです。でもヘビースモーカーだったりお酒飲みだったり、無茶な生活がたたって生活習慣病になり、それを「忙しいから」と放置しているうちに、突然、脳梗塞に見舞われてしまうのです。一命は取り留めたとしても、生活、仕事、趣味、家族関係などその後の人生は大きく変わってしまいます。どこかもっと手前で自分の生活や体調についての気づきや配慮があれば、病気の発症を遅らせることができたはず。そして、後悔せずに済んだはずです。

 今の大人世代は学校教育で健康について学ぶ機会がなかったので、健康の基礎知識も、自分の健康に対する意識も人によってばらつきがあり、無関心な人は無関心のまま。でもそれでは自分の幸せを自分でないがしろにするようなものです。

 生活習慣病で1カ月に1回の通院が必要になったとしても、1年でたった12日ですよね。それで脳梗塞の発症を遅らせることができるなら、わずかな手間でしかありません。長い人生の中でどれだけ気持ちよい日々を過ごせるか、という視点で健康のことを考えてほしいと思っています。

日々のコンディションを意識するところから

 “健康は人生の宝”だということを健康なうちから感じていただき、自分がベストコンディションでいるためにどう過ごしたらよいか、どう工夫するかを考えてみてください。ベストコンディションでいれば、一日を気持ちよく過ごせます。それが毎日続けば、ハッピーな人生になっていきます。一方で、病気をしたら人生の宝を失うのかというと、そうではありません。病気でも、その人なりの健康があるからです。病気になり一旦は悲しんだり不幸な気持ちを抱いたとしても、病気や障害を受け入れるところから新たにスタートし、「今日は気分がよい」「今日は元気に動ける」という日を増やすことで、幸せを見つけていくことはできます。むしろ病気になったことで気づく幸せもあり、以前よりも幸せを感じるという方もいるくらいなのです。

 病気の人でも、前向きに気持ちを切り替えることが出来れば幸せが見つかる――これもリハビリ科にいたとき気づいたことで、もちろん、健康な人へもそういったメンタル面での幸せ探しについても今の立場で伝えていきたいと思っています。


福田 千晶先生

【現職】
医療法人高友会 アルシェクリニック勤務
日本リハビリテーション医学会専門医、日本東洋医学会専門医
日本医師会認定産業医、日本医師会認定健康スポーツ医
日本人間ドック学会専門医、日本体力医学会健康科学アドバイザー
医学博士

【経歴】
慶應義塾大学医学部卒業。東京慈恵会医科大学リハビリテーション医学科勤務を経て、アルシェクリニック、NECフィールディング嘱託産業医勤務。また健康アドバイザーとして執筆、講演、テレビ・ラジオ番組への出演などで活躍。

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