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ドクターズコラム

2016年4月25日

連載②【川嶋朗先生】「温活」と、「病気の予防」と、 「この国の未来」との関係 ~温活が、日本の医療を救う!?

連載②(全2回)

温活が、日本の医療を救う!?

温活が、日本の医療を救う!?

人生全体をみるのが、統合医療

 私が現在、取り組んでいるのが、統合医療です。統合医療とは西洋医学と代替・相補・伝統医療を統合した医療で、人間の心身全体を診るだけでなく、その人の人生全体をもみて、病気の根本原因を探り、最終的にはその人が満足する医療です。

 今の西洋医学は、科学的根拠に基づく医療(EBM:Evidence-Based Medicine)を目標に掲げていますが、データ収集・分析が得意な人工知能が発達して医療に応用されるようになると、少なくとも診断は医師でなく人工知能で事足りてしまいます。外科治療についても、手術支援ロボットがさらに進化すれば医師に取って代わるかもしれません。すると、医師が医師たるゆえんは、そこにある病気を治療することではなく、その人が病気になった根本を探ること、二度と同じ病気にさせないこと、あるいはもっと手前で病気になる前に予防することに行き着くのではないでしょうか。実は統合医療にはそれも含まれます。身体の中に異常をきたす原因は、その人が今どのような生活をしているのか、あるいは家族関係も含め幼少期からどのような人生を送ってきているのか、過去から現在に至るまでの人生全体をみていくことでわかってきます。

 現状、日本の医療は早期発見・早期治療をめざす二次予防に力を入れていますが、二次予防では医療費の削減ができないことは明らかです。そうではなく、これからは病気になる前の一次予防をもっと推進するために、統合医療の分野を活かしていかなければなりません。病気になる前の衣食住の生活習慣やメンタルな気づきに留意し、できる限り身体に不調をきたさないようにすることが、その人の人生の質を高める上でも、国の医療費を削減する上でも、重要になってくると考えています。

温活は一次予防の有力株

 一次予防の観点で非常に有効な手段の1つが、「身体を冷やさない」、「身体を内から温める」、「身体を外から温める」という温活なのです。温活し、血めぐりを良くすることは、病気の予防につながります。だから私は、著書や講演などあらゆる機会を通じて温活を推奨しています。

 若い人が病気になりにくいのは体温が高く代謝も免疫も高いからで、逆に歳をとると病気になりやすくなるのは体温の低下に伴う代謝・免疫の低下が要因に挙げられます。私の経験に基づく感触では、温活をすることによって病気の半分程度は防げるのではないかとみています。同じ病気の予防でも食事制限や運動は辛さを伴いますが、温活は楽で気持ちが良い上、お金もそれほどかからない。誰もが続けられることも大きなメリットです。

 身体から発信される病気の手前(未病)のアラートには、頭痛や肩こり、だるさ、疲れ、めまい、動悸、ほてり、むくみ、関節痛、疲れ目、イライラ、不安感、不眠などがあります。その不調をアラートとは捉えず悪いものと考え、薬剤などで1つずつ消し去ろうとするのが西洋医学です。だから、アラートの根本原因には迫りません。たとえばこれらの原因が冷えだとすれば、温活で血めぐりを良くして冷えを解消すれば不調は消えます。

 冷えが原因かどうかは、自分の生活を振り返ることでみえてくるでしょう。

 「朝、起きる時間は?」「起きたら何をする?」「朝ごはんには何を食べる?」「何回くらい噛む?」からはじまって、「寝る時間は?」「寝た後に目を覚ますことがある?」「夢をみる?」まで24時間の生活をくまなくチェックしたとき、身体を冷やすような出来事があれば冷えが疑われます。そんなときは、身体を冷やす生活習慣を改善していけば良いのです。大切なのは自分で気づくこと。私の診療でもこのように細かく質問していくと、患者さんのほうから「あっ、ここまずいですよね?」と聞き返してきます。そのように自分で気づくと主体的に行動できるようになっていきます。

良いことづくめの温活

 最後に、今までの話を簡単にまとめてみましょう。温活すると病気の一次予防につながり、あなたの人生の質が高まります。温活するとあなたが自分自身の身体について主体的に考えるようになり、お任せ医療もなくなります。患者さんが主体的になると、医師のエクスキューズ医療もなくなります。手軽で気持ち良い温活は長続きしますから、多くの人が温活をすることによって日本から病気が減り、医療費削減につながり、未来の子どもたちに借金を背負わせることもなくなります。こんなに良いことはないと私は思っているのです。

 このような思いから、当サイト「ウェルラボ」で統合医療の知見から不調の原因と対策を解説しています。いつまでも美しくありたいというのは、女性の永遠の願い。美しくあるためには、健康であることが大前提です。だから若いうちから身体が発信するアラートには注意深く耳を傾け、不調の原因を取り除く生活を送ってほしいと願っています。


川嶋 朗先生

【現職】
東京有明医療大学保健医療学部鍼灸学科 教授
東洋医学研究所附属クリニック自然医療部門担当
日本内科学会認定医・総合内科専門医
日本統合医療学会(IMJ)理事、医学博士

【経歴】
北海道大学医学部卒業。東京女子医科大学大学院修了。ハーバード大学医学部マサチューセッツ総合病院に留学。2003年、日本の大学病院初の統合医療診療を行う「東京女子医科大学付属青山自然医療研究所クリニック」を開設し所長に就任。

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メディア掲載情報

  • 2016年9月30日

    川嶋朗先生 読売新聞社「読売新聞(東京・大阪)」(シニア 疲れとれぬ・・・秋バテ注意)

  • 2016年9月19日

    ウーマンウェルネス研究会 テレビ宮崎「スーパーニュース Reらいふ」(今のうちから対策を「秋バテ」対処法)

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