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心と身体のキホン

2016年10月28日

寒い季節に起こりやすい尿もれ…その原因とは?

寒い季節は尿もれが起こりやすい時期。その原因についてお伝えします。

寒い季節に多い尿もれは「切迫性尿失禁」

40~60代女性の3人に1人が経験するといわれる「尿もれ」。そのおもな原因は、出産、加齢、閉経などによって、「骨盤底」がいたんだり、ゆるんだりすることです。

尿もれには、おもに3つのタイプがあります。

・腹圧性尿失禁
お腹に力を入れた瞬間、尿もれするのが腹圧性尿失禁です。せきやくしゃみをしたとき、笑ったとき、坂や階段の昇り降りのとき。また、スポーツの最中や信号待ちから歩きだした瞬間などに起こることも。このタイプの尿もれは50歳以降に起こりやすく、60歳ごろがピークとなります。

・切迫性尿失禁
週に1回以上、急に強い尿意を感じて困る病気を過活動膀胱といいますが、このうち我慢できずにもれてしまうのが切迫性尿失禁です。「冷たいものに触る」「水の流れる音を聞く」「寒さを想像する」「帰宅して玄関ドアに鍵を差し込む」といったことがきっかけになって起こります。これは、加齢に伴って増えていく傾向があります。

・混合性尿失禁
腹圧性尿失禁と切迫性尿失禁の2つのタイプが混ざって起こる尿もれです。

これら3つのうち、とくに冬に起こりがちなのが、寒さや冷たさを感じたり想像すると起こる切迫性の尿もれです。冬は、寒さにさらされたり、室内外の温度差を感じたり、キッチンなどで水の冷たさを感じたりする機会が増えます。こうしたことが刺激になって膀胱が反射的に収縮し、尿もれしやすくなります。ただし、なぜ膀胱が反射的に反応するかなど、明確な理由はわかっていません。

「骨盤底」とは?

恥骨と尾骨の間にあるひし形の臓器のことを「骨盤底」といいます。骨盤底は「骨盤底筋」という筋肉のほか、血管や神経などが集まってプレートのようになっていて、膀胱や子宮、直腸、骨盤など、おへそから下にある臓器を支えるという大切な役割を果たしています。骨盤底がゆがむと、尿道周辺の筋肉がゆるんで、しまりが悪くなり、尿もれしやすくなります。

骨盤底の断面図

女性のライフステージと尿もれの原因

女性の尿もれには、①妊娠・出産②加齢③閉経といったライフステージが大きくかかわってきます。

①妊娠・出産
妊娠してお腹が大きくなると、普段よりも骨盤底に負担がかかります。また、産道を通り膣から赤ちゃんを出産する経膣出産のあとは、膣が大きく伸びて、骨盤底にダメージを与えます。そのため、出産後1年以内は尿もれしやすくなります。通常は1年ほどで改善しますが、骨盤底へのダメージは残ります。

②加齢
歳を重ねるにつれ運動量が減り、筋力が低下すると尿もれが起こりやすくなります。腹圧性尿失禁のピークは60歳ごろですが、切迫性尿失禁は加齢とともに増える傾向があります。

③閉経
50歳前後で閉経すると、コラーゲンなどが減り、皮膚や皮下組織がゆるんだりかたくなったりすることで尿もれが起きやすくなります。

このほか、肥満、便秘がち、トイレで何度もいきむ、たびたびせき込む、重いものを持つことが多いといったことも、骨盤底にダメージを与える要因になります。

「膀胱は心の鏡」。ストレスをためない生活を

一度尿もれを経験すると、「またもれるのでは」と心配になり、外出をひかえたり、趣味をあきらめたりしがち。そうなると活動量が減って筋力が低下し、さらに尿もれしやすくなるという悪循環に陥ってしまいます。また、「膀胱は心の鏡」というように、外出や趣味を止めることで感じるストレスも尿もれの一因になってしまいます。でも尿もれは、一度経験したからといって、ずっと続くとは限りません。生活習慣を見直したり、骨盤底を鍛えたりすることで、尿もれは予防や改善ができるのです。

大切なのは、心や身体をリラックスさせること。そして、尿もれが心配なときは尿もれ専用パッドを使い、外出や趣味、スポーツを楽しむこと。活動的な生活を心がけることで、筋力を維持し、ストレスをためずに済むので、尿もれの予防・改善につながります。

最近よく聞く「過活動膀胱」とは?

急に強い尿意に襲われ「自分の意思に関係なくトイレに行きたくなる」「昼夜を問わずよくトイレに行く」「慌ててトイレに行っても少量しか出ない」といった状態を「過活動膀胱」といいます。過活動膀胱のうち、多くの人が頻尿になり、約半数の人が尿もれ(切迫性尿失禁)を経験します。また、40歳以上の8〜15人に1人が、過活動膀胱の症状を経験したことがあると言われています。過活動膀胱も、明らかな原因はわかっていませんが、骨盤底を鍛えることで改善できることもあります。

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監修:女性医療クリニックLUNAグループ理事長 関口由紀先生

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