【医師・専門家監修】女性のライフステージにあわせた心と身体の健康情報

からだケアレシピ

2018年3月27日

不快な口臭の原因の多くは舌の上の菌! 3つの対策で解消

監修:花王株式会社 パーソナルヘルスケア研究所 歯学博士 矢納義高

不快な口臭の原因の多くは舌の上の菌!3つの対策で解消

年齢を重ねるにつれて、「なんだか自分の口臭が気になる」機会が増えてきませんか? それ、気のせいではありません! その原因は“舌”にあり!? 今回は、年齢とともに不快になる口臭*の原因と対策を紹介します。

口臭にも「加齢臭」がある!?

口臭とは、口内から発生したニオイを他人が不快に感じられるもの。口臭はニオイの強い飲食物が原因になることもありますが、年齢を重ねるにつれて、口臭(生理的口臭のこと*。以下同じ)は不快になり、40代後半になると「社会的容認レベル」を超える人が増加します。社会的容認レベルとは、「50cm程度の距離で口臭が感じられない」状態。つまり、40代以降になると、近くにいる人が感じる口臭はますます不快になっています。このことから、口臭にも“加齢臭”があると考えられます。

口臭の不快度と年齢の関係

なぜ、年齢を重ねるにつれて、口臭の不快さが変わるのでしょうか。

口臭の不快さには、口内から発生する様々な物質が関係しています。代表的な物質としては、卵や玉ネギが腐ったようなニオイの「VSC(Volatile Sulfur Compounds/揮発性硫黄化合物)」が関係していると考えられています。しかしながら、口臭が不快になる原因物質と年齢との関係を調べた結果、おならやウンチのようなニオイにも含まれるスカトールが年齢とともに増す傾向にあることがわかってきています。このことから、年齢を重ねるにつれて不快になる口臭の原因のひとつは、このスカトールが関係していると考えられます。

口臭の発生には、口の中の状態が大きく関係します。年齢とともに口臭が不快になる理由の一つは、唾液の分泌量が減ること。唾液には口の中を清潔に保つ働きがあります。ところが年齢を重ねるにつれて、様々な薬を飲む機会が増えてきます。多くの薬には唾液の分泌を抑えるという副作用があるため、唾液が減って口の中が乾燥しやすくなるのです。また、60代以降になると、唾液腺の働きが低下します。

唾液が減ると口の中をきれいにする力が弱くなり、口の中にすむ菌が繁殖しやすくなります。菌の中には不快なニオイ物質をつくり出すものもいるため、唾液の減少によって口臭が強くなるというわけです。

不快な口臭の発生源は「舌」だった!

口の中にすむ細菌にはさまざまな種類がいますが、その一部は唾液や粘膜などの口の中の細胞に含まれるタンパク質をエサにして口臭の原因となるVSCやスカトールなどの不快なニオイ物質をつくり出します。

そして、この口臭の原因となる物質をつくり出す細菌が最も多いのが「舌」。とくに「舌苔(ぜったい)」と呼ばれる白いコケのような部分にたくさんの細菌がすみついています。

口腔内の菌の存在部位と分布

口の中には600種類以上の菌がすみついています。個人差はありますが口の中の菌の6割以上が舌に存在する人も。舌は口臭の原因菌の巣窟になっている可能性もあるのです。

舌苔は通常、舌の奥のほうにくっついています。舌には「糸状乳頭(しじょうにゅうとう)」という細い繊維のようなものがたくさん生えていて、その根もとには空気が届きにくいため、酸素を嫌う「嫌気性菌(けんきせいきん)」のすみかに。不快なニオイ物質をおもにつくり出すのが、この嫌気性菌です。舌苔は、嫌気性菌と、そのエサとなるタンパク質(口の中からはがれ落ちた古い細胞、食べかすなど)がからみ合った、まさに不快臭の温床なのです。

左の写真に見える細い繊維のようなものが糸状乳頭。右の写真は、分厚くなった舌苔を拡大したもの

左の写真に見える細い繊維のようなものが糸状乳頭。右の写真は、分厚くなった舌苔を拡大したもの。糸状乳頭のすき間によごれがたまり、舌の表面が見えなくなっています。

舌苔は、スカトールの発生にも深く関わっています。スカトールの量と口腔状態の関係を調べた実験によると、むし歯や歯ぐきの炎症状態などよりも、舌苔の付着状態に関係することがわかっています。つまり、スカトールの発生の原因は舌苔にあると考えられます。

201803_03_recipe_05rr

舌苔がたまる理由として、唾液量の減少に加えて、舌の動きが悪くなって口の中のよごれがたまりやすくなっていることや、正しいお口のケアができていないことなどが挙げられます。

きめ細かな泡を舌に直のせ!? 年齢とともに不快になる口臭には“舌苔対策” 

口臭は舌苔が原因であっても、それを力づくで取り除こうとすると舌を傷つけてしまいます。また、舌苔がうっすらついているのは自然な状態で、不快なニオイも他人が気づくレベルまでは発しません。舌苔は普段のケアで自然に減らしていくのが理想的です。

舌苔を効率的にケアするおすすめの方法を紹介します。

●やさしく舌磨き

舌用ブラシを使って舌の奥から手前に向かってやさしくかきだします。舌磨きの回数は1日一回で充分。舌苔が多いときには、一度にすべてをとりのぞくのではなく、少しずつ取り除くようにしましょう。舌苔を取ろうとゴシゴシしたり、歯磨きのたびに頻回行ったりするのはNGです。

●唾液の分泌を促す

唾液腺マッサージをする、歌を歌う、食べものをよく噛む、すっぱいものを食べる、舌を動かすなどの方法で唾液の分泌を促すと、口の中の自浄性を高めることができます。

唾液腺マッサージの方法はこちら。

唾液腺マッサージで唾液の循環をアップ!
唾液腺マッサージで唾液の循環をアップ!

● 殺菌成分や菌のかたまりを分散しやすくする成分が配合された洗口液を使う

舌苔は菌のかたまりなので、殺菌成分や菌のかたまりを分散しやすくする成分が配合された洗口液を歯磨きの後に使用するのも良いでしょう。

● きめ細かな泡を舌に直接のせてケアする

舌苔は通常、舌の奥のほうにくっついています。泡には、よごれを吸着しやすい性質があり、その泡がきめ細かくなればなるほど、泡の表面に多くの菌を吸着させることができます。その性質を上手に活用して、普段の歯磨き習慣で舌苔を自然にケアしていくのも良いでしょう。最近では、通常の歯磨きではたてることのできないきめ細かい泡を舌に直接のせて、クチュクチュしながらお口全体にいきわたらせた後に歯磨きするタイプの泡状のハミガキもあります。

201803_03_recipe_06

*この記事では口の中の菌の繁殖が原因であり、誰にでも発生する「生理的口臭」について解説しています。口臭にはさまざまなタイプがありますが、ほかに歯周病などを由来とする「病的口臭」や、実際には口臭が強くないのに気になってしまう「仮性口臭」などがあります。自分の口臭はどのタイプかという判定や対策について知りたい場合は、歯科医を受診しましょう。

写真:PIXTA

歯周病・むし歯・口臭の原因&予防まとめ
歯周病・むし歯・口臭の原因&予防まとめ

関連の悩み別記事を見る

歯周病・むし歯・口臭

キーワードから探す

あなたの血めぐりは大丈夫? 血めぐりチェック

人気記事ランキング

インフォメーション

メディア掲載情報

  • 2018年3月28日

    中村格子先生 ㈱集英社「MORE」(今すぐリセット!!骨盤&むくみ 入浴やひざ下のマッサージでめぐりをよくする)

  • 2018年3月18日

    川嶋朗先生 中部日本放送㈱「健康カプセル!ゲンキの時間」(春の不調の真犯人!寒暖差疲労を撃退!目もとをホットタオルで温める)

最新記事