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2018年10月9日

週末に休んでも疲れが取れない…8割以上が実感する「蓄積疲労」の解消法とは

監修:産業医、医療法人社団 同友会 産業医室勤務 大室正志先生

寝ても疲れがとれない…疲れのスペシャリストがすすめる蓄積疲労の解消法

週末、どこにも出かけずしっかり休んだのに、疲れが取れない。どんどん疲労が溜まっていく……。そんな経験はありませんか? ウーマンウェルネス研究会が、首都圏在住の20 ~50代のビジネスパーソン男女854人を対象に疲労に関する意識調査を実施したところ、約8割以上が疲労の蓄積を感じていることがわかりました。

疲労度MAXは金曜日!

疲労の蓄積を感じているかどうかを聴取したところ、「蓄積している」と答えた人が8割以上という結果に(グラフ1参照)。

グラフ1

最も多くの人が蓄積疲労を感じるのは、週末に向かう金曜日・木曜日です。ただ、週明けの月曜日が3位であることから、週末にリフレッシュできていない人が多いことがうかがえます(グラフ2参照)。

グラフ2

週末の実態について確認したところ、「平日に溜まった疲れが週末まで持ち越されてしまっている」と感じている人は、約9割に及んでいます(グラフ3参照)。

グラフ3

良い週末を過ごせていない実態が明らかに!

週末の過ごし方は「疲れをとるために自宅でゆっくり過ごす」が第1位(グラフ4参照)。「疲れを引きずり、良い週末を過ごせなかった」と感じている人は約8割という結果に(グラフ5参照)。

グラフ4

グラフ5

週末を蓄積疲労の解消に費やし、良い週末が過ごせていないという現代人の実態が浮き彫りになりました。

現代人の疲労の正体は「脳疲労」

産業医の大室正志先生によると、近年、働き方改革の影響で、短い時間で高いパフォーマンスを求められるようになり、30代後半世代のミドル層が疲労の蓄積を訴えるケースが多くなっているそう。その蓄積疲労の正体は「脳疲労」です。

「現代人はデジタル機器に囲まれ、交感神経が優位な過緊張状態が続くため、脳の疲労を加速させてしまいます。さらに、長時間のデスクワークによる、“運動不足”も脳疲労に拍車をかけます」(大室先生)

【脳疲労の原因】
●モバイルツールの発達で、常に脳を酷使
モバイルツールの発達により、いつどこでも仕事の作業やメールチェックができるため、現代人は脳を休められる“スキマ時間”がない状態に陥っています。

●視神経からの影響
私たちの生活に欠かせなくなったパソコンやタブレット。その発光するディスプレイを見つめることで、視神経を通じて脳が疲れます。

●現代人の脳は、バッテリー容量が同じでアプリが増えたスマホ状態
人間の身体は20万年前からほぼ同じ構造ですが、現代人が1日に受け取る情報量は、江戸時代の1年分といわれています。これはいわば、バッテリー容量は同じなのに、アプリが増えたスマホのような状態です。

●運動不足
長時間デスクワークを続け、同じ姿勢であまり動かない状態が続くと、筋肉がかたまって血行が悪くなります。運動不足は肩こりや腰痛、冷えなど、さまざまな身体の不調を起こします。

その生活習慣が、逆に非効率を招いている

以下は、大室先生が、過重労働面談の際に(疲労蓄積度調査に基づいた)通常の項目に加えて質問する項目です。長時間労働者は、シャワー派とデスクランチ派が多数という傾向があり、時間的効率を求めた結果、かえって非効率になっている可能性を指摘しています。

金・土・日の蓄積疲労の解消法

最近は、モバイル機器の発達で、休みの日も仕事モードから抜けきらない“スクリーンセーバー状態”の人が増えています。休日に仕事のことが頭から離れない状態で過ごしていると、疲労が取れないまま月曜日を迎えることに……。

「実は、休日に仕事モードをシャットダウンしてリフレッシュした人のほうが、週明けから元気に仕事に取り組んでいます。充実した週末を迎えるために、金曜日の夜のうちに溜まった疲れを取っておくことが大事です」と、大室先生。

蓄積疲労の解消法は、まず良い睡眠をとることから。忙しくて睡眠の時間や質が十分でない人は、金曜日の夜に、以下の疲労解消法を試してみましょう。金曜日のうちに疲れを取って、充実した週末に!

1.蓄積疲労の解消には、金曜日の高濃度炭酸入浴を!

疲労は、月曜日から金曜日に向かって蓄積していきます。蓄積疲労の解消には、炭酸ガス入りの入浴剤を入れた38~40℃のお湯に10〜20分つかりましょう。炭酸入浴なら、リラックスに最適なぬるめのお湯でも、末梢の血管を拡張して血流をよくするため、効率的に疲れを取ることができます。

以下のデータは、一週間の疲労感の変化を示したものです。疲れが蓄積した金曜日の夜に“高濃度”の炭酸ガス入り入浴剤を入れたお湯につかると、溜まった疲れが減り、土曜日の起床時には、月曜日の起床時よりも疲労感が減っていることがわかります(データ1参照)。

2.運動不足を解消する

軽く汗をかくような早歩き、自転車こぎ、軽めのランニングなどの有酸素運動を、疲れない程度、心地よいと感じる程度に行うといいでしょう。とくに、手足の先が冷えて眠れないという人は、運動習慣を取り入れて、血行をよくしましょう。

3.脳の過活動をクールダウン

塗り絵や写経、編み物など、頭を使わずに集中して手を動かすことをしてみると、リフレッシュできます。

疲れが取れない…その理由は週末の過ごし方に問題あり!?
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その疲れ、「脳疲労」かも。現代人に多い脳疲労の実態
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産業医 大室正志先生

1978年山梨県生まれ。
医療法人社団同友会産業医室勤務。2005年産業医科大学医学部医学科卒業。都内の研修病院勤務を経て、産業医科大学産業医実務研修センター、ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社統括産業医を経験し、現職。
専門は産業医実務。メンタルヘルス対策、インフルエンザ対策、生活習慣病対策など、企業における健康リスク軽減にも従事。
現在、日系大手企業、外資系企業、ベンチャー企業、独立行政法人など約30社の産業医を担当。
「ビジネスパーソンの疲れのスペシャリスト」「労働と健康のスペシャリスト」として数多くのメディアに登場している。

著書
『産業医が見る過労自殺企業の内側』(集英社新書)
『産業医と弁護士が解決する社員のメンタルヘルス問題』(中央経済社)
『リーダーの教養書』(幻冬舎)

<意識調査概要>
調査方法:インターネット調査
調査期間:2018年8月7日〜8月9日
調査対象:首都圏の20歳〜59歳の男女 854名
     *業務でデジタル機器を使用する、土日祝日休みの働く男女

写真:PIXTA

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