監修:医師、医学博士、健康科学アドバイザー 福田 千晶先生
1年で最も寒さが厳しくなる時期、身体の冷えに悩んでいる人も多いのでは? 実は、冷えを自覚している人ほど、むくみを感じていることがわかりました。
20~50代の男女862人にむくみについて聞いたところ、むくみの自覚者は女性で6割以上、男性でも約4割にのぼることがわかりました(グラフ①)。
さらに、冷えを自覚している人ほどむくみを感じている傾向にあり、むくみと冷えが相関関係にあることもわかりました(グラフ②)。
今まで、むくみは女性特有の不調と考えられてきましたが、男女に共通した不調であることが浮き彫りになりました。
この結果について、健康科学アドバイザーの福田千晶先生は次のように述べています。
です。とくに冬は冷えによるむくみ症状「冷えむくみ」があらわれやすい時期です。
「冷えむくみ」は、冬の足もとの男女のファッション傾向が影響していることが考えられます。
男性は冬でもズボン下を着用しない人が多く、自覚がないままに冷えて血めぐりが悪くなり、むくんでしまう場合があります。
一方、女性は靴下やタイツを重ね履きして靴やブーツを履くシーンが増え、足もとが圧迫されることで血めぐりが悪くなり、結果的にむくんでしまう人が多いと考えられます。
といったスパイラル現象に陥りやすいもの。実態調査でも、冬にむくみを感じる人が62%と、1年の中で最も多いという結果になりました。
冬特有の「冷えむくみ」は、通常のむくみよりも症状が長引いたり重く感じたりすることが多いもの。そのため、解消しにくく、深刻化しやすいという特徴があります。
また、「冷えむくみ」を放置してしまうと、むくみが解消できないだけでなく、冷えも悪化し、免疫力も下がりやすくなる傾向があります。
※むくみの症状が出て、体調が優れない場合は、医師の診察を受けましょう。
今回の調査では、男女でむくみを感じる部分はさまざまですが、とくに、ふくらはぎや足首など、足にむくみを感じている人が多い結果となりました(表①)。
むくみを感じる部分は個人差もありますが、一般的に、男性は靴や靴下のゴムをきつく感じるなど、物理的にむくみを感じることが多く、女性は“だるい”“重い”といった不快感とともに、見た目でむくみを実感する人が多いのが特徴です。
症状が重症化しやすい「冷えむくみ」は、マッサージなどの部分ケアだけでは解消できない可能性も。大切なのは、まず“全身の血めぐりケア”をすることです。
全身を効率的に温めるには入浴が最も効果的。温浴効果をさらに高めるには、さら湯よりも炭酸ガス入りの入浴剤の使用がおすすめです。
お湯に溶け込んだ炭酸ガスの目に見えない細かい泡が、皮膚の毛細血管を拡張し、血めぐりが良くなります。炭酸の濃度は高いほど効果があります。
大きな筋肉や太い血管が集中している体幹部分(お腹、腰、太もも)を温めると、効率的に血めぐり改善できます。蒸気がでるタイプの温熱シートなどを活用するのもおすすめ。蒸気をともなう熱は乾いた熱に比べて、身体の深部まで熱を伝えることができます。
カリウムを多く含む食材は、余分な水分を体外へと排出してむくみ解消に効果的です。
野菜…白菜、カブ、大根、ネギ、ブロッコリ
果物…ハッサク、イヨカン、リンゴ
足に流れた血液を重力に逆らって押し上げてくれるのが足のポンプ機能。向上させるには……
以上に加え、ひざ、腰、ふくらはぎをほぐすストレッチも効果的です。
<調査概要>
調査方法 : インターネット調査
調査期間 : 2015年12月2日~12月4日
調査対象 : 20~50代の男女 862名
調査内容 : 「むくみ」に関する意識調査