春に肌トラブルを感じる人は多いもの。今回は、春の肌荒れの症状と原因、その解決方法をご紹介します。
春の肌トラブルについて首都圏在住の20~50代女性(842人)に聞いたところ、春に肌のトラブルを感じる人は66.6%と、7割近い人が春になんらかの肌トラブルを経験したことがわかりました。(グラフ①)
具体的な肌トラブルの内容は、1位「乾燥」(49%)、2位「かゆみ」(48.3%)、3位「吹き出物」(28.5%)でした。とくに、「乾燥」と「かゆみ」を感じる人が半数近くにのぼることがわかりました。(参考:グラフⅠ)
春の肌トラブルについて、皮膚科医で女性のスキンケアにくわしい友利新先生は、「ストレス」と「紫外線」をとくに注意すべき要因として挙げています。
春は入学や入社、異動・昇進など生活環境の変化から、多くの人が「ストレス」を感じやすい季節です。調査でも、ストレスが最も多い季節は春(33.5%)という回答がいちばん多く(グラフ②)、ストレスを感じている人ほど、春に肌トラブルを感じる割合が高いという結果がでています(グラフ③)。
ストレスが自律神経に作用すると、交感神経が優位になります。交感神経が優位になると、血流が悪くなり、美肌のカギといえる“血管力”を低下させることがわかっています。
血管力とは、外部環境の変化(気温差、運動等)に応じて、血流を調節する能力です。血管力が低下すると、必要な酸素や栄養分が肌までいきわたらず、老廃物の代謝も低下するため、肌荒れが起こりやすくなります。
また、人はストレスや緊張を感じると肌や髪を触り、無意識に気持ちを落ち着かせようとしますが、それらは肌への刺激になり、肌のバリア機能低下にもつながってしまいます。
4月~6月の紫外線量は意外と多く、UVA量は真夏とほぼ同じ量、UVB量は真夏の8割程度が降り注いでおり、注意が必要です。しかし、夏ほど日差しが強くなく、気温も過ごしやすい春は、つい紫外線対策を怠りがちになります。
今回の意識調査でも、春の紫外線対策に気をつけている女性は16.9%と低く、とくに20代ではわずか6.7%と、紫外線に対する意識が低いことがわかりました。(グラフ④)
紫外線は、メラニン色素を生成し「シミ」や「日焼け」を引き起こすほか、コラーゲンやエラスチンを破壊します。これが、「シワ」や「たるみ」につながり、肌を老化させます。
また、春の紫外線に注意すべきもうひとつの理由として、“血管力”との関わりがあります。肌の角質には、紫外線を受ける量が多くなると、自ら厚みを増して肌を守るという、環境への適応力があります。しかし、「血管力」が低下するとターンオーバーがうまくいかなくなり、未熟な角質が出来てしまいます。すると肌のバリア機能が低下し、紫外線の影響を受けやすくなるのです。
春は「血管力」を低下させるストレスを感じやすいだけでなく、紫外線対策への意識も低く、充分にケアされていないため、肌は二重のリスクにさらされているといえます。
5個以上該当 :血管力が低下している可能性大。美肌のため、すぐに血管力を高める対策をしましょう。
3~4個該当 :要注意。血管力アップで、より美肌に近づきます。
<調査概要>
調査方法 : インターネット調査
調査期間 : 2016年2月19日~2月22日
調査対象 : 20代~50代の女性842名
調査内容 : 春の肌トラブルに関する意識調査