監修:医師、医学博士、健康科学アドバイザー 福田 千晶先生
雨続きの天候や気圧の変化により、梅雨時期にはだるさや疲れを感じやすくなります。この時期特有の不調について、女性の健康とライフスタイルに詳しい健康科学アドバイザーの福田千晶先生にお伺いしました。
首都圏在住の20~50代の女性を対象に、梅雨時期の過ごし方に関する意識調査を行ったところ、7割以上(73.2%)の人が身体や精神面で何らかの不調を抱えていることがわかりました(グラフ①)。
また、1年の中で不調を感じる人が多い月は「3月」(24.2%)と「6月」(23.8%)で、40代の女性を除くと「6月」に最も多くの人が不調を感じていることがわかりました。
不調の内容としては、「だるい」(44.1%)、「肩こり」 (41.8%)、「疲労感」(32.2%)、「憂鬱な気分になる」(28.0%)、「やる気がしない」(23.2%)といった症状があげられ(グラフ②)、身体の不調だけでなく、精神面の不調もあらわれることが明らかになりました。また、室内で過ごす機会が増えるこの時期、家の中でリフレッシュできる場所を聞いたところ、「リビング」(26.6%)、「浴室」(19.5%)、「寝室」(15.8%)という結果になりました。
<調査概要>
調査方法 : インターネット調査
(調査実施機関 株式会社ジャストシステム)
調査期間 : 2015年3月
調査対象 : 首都圏在住の20~59歳の女性425名
調査内容 : 梅雨時期の意識調査
梅雨時期特有のストレスによる不調=「梅雨だる」について、解決のためのアドバイスを福田先生にいただきました。
梅雨時期は、気圧、湿度、気温など、あらゆる気象条件がめまぐるしく変わります。そのため、体調をコントロールする自律神経の働きが乱れやすくなり、不調につながります。また、エアコンを使いはじめる時期でもありますが、身体や衣服が濡れた状態でエアコンにあたると、身体が冷えることも。このような梅雨ストレスが重なり、「梅雨だる」を感じる人が増えるのです。
「梅雨だる」が解消されるかどうかは、その人の環境への対応力によって異なります。大切なのは、変化にうまく順応し、症状を夏まで持ち越さないこと。「梅雨だる」を上手に解消できる人は夏バテもうまく解消できます。そのまま放置すると、夏バテや夏風邪が重症化したり、熱中症になったりする危険性もあります。
「梅雨だる」の症状を感じたら、「リビング」「浴室」「寝室」でかんたんにできるリフレッシュ術を試してみましょう。
湿度が高い梅雨時期は、家の中に匂いがこもりがち。そんなときは、お気に入りの香りのキャンドルやルームスプレーを使ってリラックスしましょう。おすすめはミントやレモングラスなどのすっきり系の香りですが、大切なのは自分が心地よいと感じる香りを選ぶこと。また、クッションやタオルの色を変えてみるのも効果的です。家の中で静かに過ごしたいときは寒色系の色、アクティブに過ごしたいときには暖色系の色に変えてみましょう。
梅雨時期に取り入れたいのが「炭酸入浴」。炭酸入浴剤を入れた湯船にゆったりつかることで、毛細血管が刺激されて血流が促進され、梅雨特有のだるさやこりがやわらぎます。炭酸なら、ぬるめのお湯でも入浴効果が高まり血流も促進されるので、暑い日はお湯の温度は38℃程度に設定すればOKです。また、爽快感が得られるメントール入りの炭酸入浴剤もおすすめです。
だるさや疲れを感じた日は、おやすみ前に蒸気が出るタイプのアイマスクや蒸しタオルで目もとを温めるといいでしょう。副交感神経が優位になってリラックスできるうえ、血めぐりがよくなり目の疲れも解消されます。寝苦しいときは、メントール入りアイマスクが、リフレッシュできておすすめです。また、汗をかきやすい季節でもあるので、吸水性が高く、肌に刺激が少なく、洗いやすい素材の寝具を選びましょう。
写真:Thinkstock/Getty Images